ラミニン511
美容エディター/美容ジャーナリスト 中込 久理

美容エディター/美容ジャーナリスト
中込 久理

美容エディター・美容ジャーナリスト。化粧品会社のPR担当から美容エディターに転身し、女性誌やウェブを中心にビューティーのコンテンツを企画・執筆。
健康な肌と髪を保つためのエイジングケア、ボディケアやエステ、何歳になっても女性が魅力的に見えるためのメイクなど美容情報を幅広く発信している。
モットーは「無理のないマイペース美容」、「大人世代は心から楽しめることのすべてが美容になる」。
趣味はJリーグ観戦と宝塚歌劇。

エイジングケアの次世代スター成分「ラミニン」
まずはその性質と働きを基本から知って!

「ラミニン※1」は細胞の生まれ変わりに働くタンパク質※5

 ラミニンはタンパク質の1種で、肌や臓器など人間の体内に存在しています。肌では表皮と真皮の境界にある基底膜を構成する重要な成分。ご存じの通り、基底膜は表皮と真皮をつなぎ止めたり情報を伝達したりと、肌の生まれ変わりに大切な役割を果たしています。ラミニンは基底膜でコラーゲンなどと結びついて、細胞の増殖を促進※5。美肌作りに大きく貢献してくれる成分です。

再生医療の分野で活用されてきたラミニン

 聞きなれない成分名のようですが、ラミニンは最近発見された新成分ではありません。発見されたのは1980年頃で、日本では再生医療の分野で大学機関が研究を続けてきました。再生医療とは、怪我や病気で機能を失った体の一部を再び作り出して補う医療。ラミニンはノーベル賞で有名なiPS細胞※2の培養に活用※5されているそうです。現在では大学や研究機関で医療用ヒトiPS細胞の製造や心疾患、パーキンソン病などの再生医療で実績を積んでいます※5

断片化したラミニンなら肌の基底膜に届きます※5

 そんなラミニンですが、実は1種類ではないです。体内の存在する部位により異なるラミニンがたくさんあり、最初にできる基底膜がラミニン511。いずれのラミニンも分子量が大きいという特徴があるので、これを断片化することで肌に与えたときに基底膜まで届くことが実証※5されました。それなら、すぐにでも商品化して肌に届けたいところですが、そんなに簡単にはいかないのです。ラミニンは肌に与えて機能させるのが難しい成分。化粧品に応用するためには、安定的に成分構造を壊さないことが重要です。

細胞を活性化するラミニンと「生コラーゲン※3」の相乗効果に期待※5

 そもそも基底膜にあるラミニンは、コラーゲンなどと同様に加齢などあらゆる原因で減少してしまいます。すると、肌は正常な新陳代謝が乱れてハリや弾力を失ったりキメが乱れるなど嬉しくない状態に。ニッピバイオマトリックス研究所の実験では、ラミニンを肌に塗布することで表皮幹細胞が活性化して代謝が維持され、肌バリアの回復にも役立つ※6ことがわかっています。エイジング※4が気になる肌なら、さっそく“ラミニン補給”したいですよね。

 ここでポイントがもう1つ。乾燥や湿度によって効果が変わるデリケートな成分であるラミニンは、生コラーゲンと好相性。つまり、生コラーゲンの中にあるとこれに絡みついて肌の安定を保ち、新しい細胞の生まれ変わりに働く※7のです。これからのスキンケアに、ラミニンは生コラーゲンとともにますます注目されそうです。

※1遺伝子組換(アスパルチルオリゴペプチド-162ヘキサペプチド-40アスパルチルヒト遺伝子組換ポリペプチド-114)/遺伝子組換(アスパルチルオリゴペプチド-162アスパルチルヒト遺伝子組換ポリペプチド-115)/遺伝子組換(アスパルチルオリゴペプチド-162アスパルチルヒト遺伝子組換ポリペプチド-48)整肌成分※2角質細胞に関わる※3ニッピ生コラーゲンSCLとは体内にある28種類のコラーゲンの内、皮膚に水分を維持しハリを与えているI型コラーゲンを「三重らせん構造」を保ったまま抽出したもの。「三重らせん構造」を保つため、非加熱で製造しており、加熱処理されたコラーゲンと比べ、約5倍の保水力を維持しています。また、肌に塗布することで、角層水分量(肌本来の水分量)が約2倍に上昇します。SCLとは、アルカリ可溶化コラーゲンの略称です。(Solubilized Collagen with Alkali) 水溶性コラーゲン(保湿成分)※4年齢に応じたお手入れ※5MiyazakiTakamichi et al Laminin E8 fragments support efficient adhesion and expansion of dissociated human pluripotent stem cells, Nature Communications. 3, 1236 (2012)※6特開2022-072071※7特許(CPT)WO2014199754A1, 関口清俊,筒井仰, ラミニンフラグメントが乾燥状態でコーティングされている細胞培養器具