美肌・健康コラムコラーゲンコラム

もっとコラーゲンを知りたい方へ。コラーゲンとはどんなものなのかご説明します。

1月26日は「コラーゲンの日」

1960年の1月26日、”ニッピがコラーゲン可溶化”技術の特許を出願、
その歴史的な発明を記念して、『コラーゲンの日』に設定されました。

コラーゲンの歴史

コラーゲンの起源

コラーゲンが地球で初めて誕生したのは、地球上の生命の起源と大きく関係し、全球凍結後の6億~8億年前と考えられています。
全球凍結の状態が終わり、急激な気候変動の影響でコラーゲンの産生に必要な酸素が大量に作られることで、単細胞生物がコラーゲンを作り出す事に成功し、そのコラーゲンが細胞同士の接着に利用され、多細胞化が促進されたと考えられています。
コラーゲンの主要な成分であるヒドロキシプロリンは空気中の酸素を取り込んで作ることが出来るようになりました。

コラーゲンの語源

コラーゲンという言葉の語源は、ギリシャ語に由来し、「Kolla(コラー)」は「膠(にかわ)」、「gen(ゲン)」は「~のもと」という意味があります。
「膠(にかわ)」とは動物の皮や骨を石灰水で煮出した液を冷やして固めたもので、接着作用があり、マッチの火薬を固めるのに用いたり、バイオリンなど弦楽器を作る時の接着剤として用いられています。
また、絵や写真などを切り貼りする技法をフランス語で「コラージュ(collage)」といいますが、これもかつて紙を貼り付けるのに「膠(にかわ)」を使っていたことが由来しています。
このようにコラーゲンは私たちの身近なのもとして古くから使われてきました。

コラーゲン分子概念の確立

コラーゲン線維が電子顕微鏡で観察されたのが1940年代です。
それ以降、様々な研究が世界各国の研究者により行われてきました。
現在、28種類のコラーゲン分子が知られています。

コラーゲン研究の歩み

1930年代 コラーゲン構造のX線散乱による研究
Corey and Wyckoff J. Biol. Chem. 114,407- (1936)
Bear JACS 64,727- (1942)
1948年 コラーゲン線維の規則的な縞模様(電子顕微鏡観察)
Gross and Schmitt J,Exp.Med.88,555-568(1948) その他多数
1952年 プロリンヘリックス構造の提案
Cochran Acta Crystallogr 5,581- (1952)
Cochran And Bear, JACS 75,2783- (1953)
1954年 コラーゲン3本螺旋構造の提出
Ramachandran and Kartha Nature 174,269- (1954)
1955年 コラーゲン螺旋構造の研究
Crick and Rich Nature 176,780- (1955)
Ramachandran and Kartha Nature 176,593- (1955)
1955年 コラーゲン線維が一定のユニット分子からなるという概念の提出
この概念上のユニットをTropocollagenと命名
GrossらPNAS,41,4- (1955)
unitの実在の証拠提出 
Nishihara and Doty(1958 PNAS44,411-)
1959-62年 コラーゲン分子のペプシン等酵素による可溶化成功 (ニッピ)
Collagen symposium II
Collagen symposium III, 66-93(1962) 
(ニッピ 西原 特許1960年出願63年登録、アメリカ登録1964年)
1960年 コラーゲンケーシング naturin ドイツ 
1962年 再生コラーゲン線維開発開始(C,S) (ニッピ)
1965年 動物由来コラーゲン分解酵素をオタマジャクシより発見
Gross. Nagai PNAS 54,1197
1969年 軟骨型(Type II)コラーゲンの発見 コラーゲンは一種類でない
Miller EJ ProNAS 64:1264-1268
1971年 プロコラーゲンの発見
Bellamy and Bornstein Pro. Natl. Acad. Sci. USA 68,1138- (1971)
1971年 Type IIIの発見
Miller EJ BBRC 42:1024-1029
1973年 Type IVの命名
Kefalides Int. Rev. Connective tissue Res. 6,63- (1973)
1976年 Type Vの発見
Burgeson RE, ProNAS 73:2579-2583 1976
Chung E BBRC 71:1167-1174 (1976)
1985年 コラーゲン遺伝子配列(α2 type I)の決定。当時としては一番長い配列
Boedtker, Finer and Aho, NY Acad Sci. 460,85-(1985)
1994年 細胞膜上のコラゲナーゼ発見
Seiki, Nature 370,61-65 (1994)
1987年 コラーゲンの細胞受容体(インテグリン)発見
Wayner, Carter J Cell Biol. 105,1873- (1987)
1991年 ラミニン5の発見(integrin a3b1に結合) Carter WG ら
1992年 Focal adhesion kinaseの発見 
Shaller ら J Biol Chem 89, 5192- (1992)
1997年 18型コラーゲン (エンドスタチン)がマウス癌治療に驚異的な力を持つ
O'Reilly, Folkman ら Cell. 88,277-(1997)
2000年 インテグリンのコラーゲン結合部位特定 
Knight CGらJ Biol Chem. 275,35-(2000)

ニッピにおけるコラーゲン開発および研究

1959-62年 コラーゲン分子のペプシン等酵素による可溶化成功 
(ニッピ 西原 特許1960年出願63年登録、アメリカ登録1964年)
1962年 再生コラーゲン線維開発開始(C,S) 
1965年 化粧品用コラーゲン入りクリーム (ニッピ-R社)
1969年 コラーゲンのアルカリによる可溶化 
(ニッピ 藤井 特許1971年Hoppe Seyler Z Physiol Chem.1969
350,1257-65)
1970年 コラーゲンケーシング製造本格化
1974年 コラーゲン創傷被覆剤 (明治製菓-ニッピ)
その他、縫合糸、人工腎臓、人工血管、人工角膜、止血剤への応用
1978年 医療用コラーゲンペプタイド製造 
1986年 スキンケアクリーム製造開始
1988年 ニッピコラーゲン化粧品 設立
1998年 牛コラーゲンDNA配列(α2 type I)の決定 
Shiraiら Matrix Biol. 17,85-(1998)
1999年 加齢に伴う牛皮膚組織コラーゲンの抽出性の研究 
Connective Tissue31,17-23(1999)
1999年 アルカリ可溶化コラーゲンの細胞接着活性など 
J.Biochem.125,676-684 (1999)
1999年 コラーゲン線維形成機構 
J.Biochem.126,54-67 (1999)
1999年 ゼラチンアレルゲン性の研究 
J Allergy Clin.Immunol 104,695-699,
J Allergy Clin.Immunol110,652-(1999)
2000年 テロペプタイドの除去とコラーゲンの安定性 
J.Biol. Chem. 275,25870-25875
2000年 コラーゲン特異的糖化産物CMA発見
Biochem J. 347, 23- (2000)
2001年 ゼラチン食と骨密度の関係の研究(動物実験) 
J. Nutr, Sci. Vitaminol. 47,84- (2001)
2002年 コラーゲン線維と細胞死 (ニッピ)
Exp.Cell Res. 280,255-269

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